今月のちょっといい話
人間の力は出し切れないと増えない
とにかくラグビーに夢中になっていたので、山口良治先生のいる伏見に入ったんです。
正直言って一年の時は、練習がいやでいやで辞めようかと思っていました。
やっぱりきつかったです。
五月ぐらいになると、自信をなくして体調を崩してしまいました。
先生に相談しに行ったら、休ませてくれました。
おかげで、なんで自分はここへ来たのかと原点に返って自分を見つめ直す時間を持てて、もう一度立ち向かおうという気になりました。
立ち直るまでかかったのは、ほんの二、三日でした。
その間に、一気にパッと変わったんです。
いい具合に波に乗ることができて、チームも強くなり、二年で初めて全国大会でベスト8入りし、キャプテンを務めた三年で一気に日本一になったんです。
まだ十分な実力がないところから、、短期間のちに上り詰めて、端から端まで経験できたのが非常によかったですね。
山口監督の指導は厳しかったですね。
印象に残っているのは、よく人間の力の話をしてくださっていたことです。
僕らが三年の頃にはすごく強いチームになっていて、どことやっても勝っていました。
前半で点差が四、五十点開いたするので、つい手を抜いり、気を抜いたりするんですが、それでも余裕で勝ってしまう。
すると先生は、えらい怒るわけですよ。「なめてんのか!」と。
そしてこんな話をよくされたんです。
人間の力は、全部出し切らないと増えない。
だから、余すことなく使わなければいけないのだと。
いま10ある力を全部出し切ったら、10.001ぐらいになる。
次の試合でその10.001を全部出したら10.002というふうに力が増えていく。
出し切らずに溜めたら逆に減ってしまうんだと。
そして最後の締めくくりに、「それがお金と違うところだ」と。
平尾誠二(致知2005年6月号より)
今月のちょっといい話
マイナス言葉を糧に
山に登ってみたいと思ったカエル10匹が山の麓に集まりました。
それを見た仲間のカエルたちはロ々にヤジを飛ばしました。
「俺たちカエルに山登りなんてできるわけないだろ。行くだけ無駄だよ。」
それでも10匹の決意は固く仲間が止めるのも聞かずに出発しました。
山の中腹まで登ったカエルたちは山ウサギたちに出会いました。
山ウサギたちがこう言ってきました。
「この山はすごく高いんだ。君たちカエルの足で山頂までなんて行けるわけないね。」
山ウサギの話を聞いて5匹のカエルが諦めて山をおりました。
残った5匹がさらに進むとリスに会いました。
「頂上まで行くなんて無謀ですよ。」
こう言われさらに2匹が下山しました。
残った3匹がさらに登ると今度はヤギが現れ、笑いながらこう言いました。
「もう引き返した方がいいんじゃないのかい。その調子じゃあと1ヶ月登っても山頂にはつかないさ。」この言葉で2匹が下山しました。
最後に残った1匹は長い時間かかりましたが、とうとう山頂までたどり着いてしまいました。
それを知って驚いたのは途中で諦めた9匹のカエルたちでした。
下山してきたカエルを囲んでロ々に褒め称え聞いてみました。
聞かれたカエルはきょとんとした顔をしていました。
唯一、山頂にたどり着いたカエルは耳が聞こえなかったのです。
マイナスな言葉には耳を傾けたくないものです。
しかし、これを逆手にとってある会社は創業時、お勘定の時にその会社に対する悪口、クレームを言ってくれたお客様に割引を行いました。
こうしてお客様の要望、店舗やサービスの改善すべき点などの情報を集めそれを飛躍の糧にしたのです。
今月のちょっといい話
本当の幸せはどこにあるか
ソントン・ワイルダーというアメリカの作家が書いた『わが町』というお芝居があります。
主人公はエミリーという女の子ですが、彼女は自分の子どもを産んだあと、二十何歳かで死ぬんです。
お姑さんたちは先に死んでいて、 舞台の右と左にこの世とあちらの世界があるという終わのほうのシーンで司会者が「自分が番幸せだったと思う日、たった一日だけこの世に帰らせてあげる」というんです。
エミリーは十二歳のお誕生日の日を選びます。
お父さんお母さんはもちろん若いですよね。
エミリーは「パパとママがこんなに若かったなんて知らなかった」なんて初めて気が付くんですね。
家の中やお庭には懐かしくて素敵なのがいっぱいある。
でも、皆素敵だから当時はわからなかった。
そして再び死んだ人の世界に帰って、「本当の幸せが、わかっていなかった。
命が何万年もあるみたいに思い込んで。
人間って、生きているときって、何も見ていないんですね。
家族がちょっと顔を見合わせたり、いまが幸せだということに気付いてはいなかった」と姑に言うんです。
昔、私もエミリーの役を演ったことがあって、演っているうちに涙が出てきてしまうようなお芝居なんですが、幸せって何だろうと考えるとき、そのときそのときの自分が幸せだと感じられればいいんだけれども、親と顔を見合わせる暇もないほどに忙しくしてしまって、なかなか気が付かないんですね。
ちょっとでも立ち止まって親の顔を見るとか、友達のこと、親切にしてくれる人のことを少しでも思ってみることができれば、生きているうちに幸せをかみしめることができるんじゃないかと思います。
黒柳徹子(致知2000年9月号)
今月のちょっといい話
8割出来れば感謝の気持ち
世界の一流企業の創業者、
グーグルのラリー・ペイジメタのマーク・ザッカーバーグ。
マクドナルドのレイ・クロック。
ゴールドマンサックスのマーカス・ゴールドマン。
これらの人たちの共通点、それはユダヤ人の血を引いているということです。
ユダヤ民族にはユダヤの商法と呼ばれる商売の極意が引き継がれています。
ユダヤの人たちに人生の目的は何ですか?と聞くとお金儲けとは答えないのだと言います。
では彼らの人生の目的は何か?と聞かれると多くのユダヤ人は美味しいものを心ゆくまま食べることと答えるそうです。
そんなユダヤ人の間で引き継がれている法則について紹介したいと思います。
それは78対22の法則と呼ばれるものです。
これはその名の通り、世の中のあらゆることは78対22という比率で成り立っていて、この比率を意識すればうまくいくという考え方です。
例えば人間の体の水分とそ以外の比率は78対22。
空気中の成分の窒素とそれ以外の気体の比率は78対2。
地球の海と陸の比率は78対22。
人間この肺呼吸と皮膚呼吸の比率は78対22。
腸内の善玉菌と悪玉菌の理想的な比率は78対2。
一般人とお金持ちとの比率は78対22。
この比率で様々なものがある意味安定しているのです。
日本マクドナルドの創業者藤田田さんはユダヤ人は何かを始めるとき合格点は60点くらいで良いと考えるとおっしゃっています。
世界の成功者を輩出しているユダヤの人たちを参考に、何事も80点ぐらいでちょうど良いと考えるようにして、これからは7割行けば上出来、8割できれば感謝の精神を大切にしたいと思います。
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